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窒素フラックスの改変によるタンパク質のバイオ燃料への変換

Nature Biotechnology 29, 4 doi: 10.1038/nbt.1789

現在、バイオ燃料は、原料中の炭水化物および脂質から作られている。対照的に、タンパク質はタンパク質加水分解物の脱アミノ化が難しいことから、燃料の合成に用いられていない。今回我々は、タンパク質加水分解物を脱アミノ化することのできる大腸菌を代謝工学で作製し、理論収率の56%でタンパク質をC4およびC5アルコールに変換させることに成功した。我々は、脱アミノ化反応を完了まで進める不可逆的な代謝力をもたらす3つの外因的なアミノ基転移および脱アミノ化サイクルを導入することにより、これを達成した。タンパク質源としては酵母Saccharomyces cerevisiae、大腸菌、枯草菌、および微細藻類の利用が可能で、約22 g/lのアミノ酸を含むバイオマスから4,035 mg/lものアルコールが得られることがわかった。この結果は、原料として高タンパク質の微細藻類が使用可能で、藻類の増殖およびCO2総固定量を最大化することができるバイオ燃料精製所でタンパク質を利用することができることを示している。

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