Perspective

埋め込み型磁気緩和センサーが心臓バイオマーカーへの累積曝露量を測定する

Nature Biotechnology 29, 3 doi: 10.1038/nbt.1780

分子バイオマーカーは、病理学的過程の客観的指標として利用することができる。そのレベルは経時的に変化することが多いが、測定機会は1回に限られることが多い。バイオマーカーの累積曝露量は、臨床利用されているものとは基本的に異なる種類の測定値をもたらすと考えられる。磁気共鳴緩和時間測定法を用いれば、抗体被覆磁気粒子が目的のバイオマーカーに曝露されて凝集するときの緩和特性の変化を、非侵襲的に追跡することができる。我々は、そうしたセンサーを備えた埋め込み型装置を利用して、生理学的レベルの臨床的に意味のある心臓バイオマーカー3種類の変化を、72時間にわたって連続測定した。センサーの反応は、心筋梗塞マウスモデルの実験群と対照群とで異なり、梗塞部の大きさと相関していた。今回我々が試作したバイオマーカー測定装置は、ドキソルビシンによる心毒性も検出し、調整すれば、pg/ml範囲という高い感度で、それ以外の分子バイオマーカーを検出することもできる。

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