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キナーゼ阻害剤選択性の包括的分析

Nature Biotechnology 29, 11 doi: 10.1038/nbt.1990

ヒトの触媒タンパク質キノームの80%以上にあたる442種類のキナーゼと72種類のキナーゼ阻害剤との相互作用を試験した。種類別では、II型阻害剤の選択性がI型阻害剤を上回るが、この傾向には重大な例外が存在することがデータで明らかにされた。このデータは、試験した化合物が標的とする多くのキナーゼに対して選択的阻害剤が開発されていることも示している。相互作用様式の分析により、ある単一サブファミリーのキナーゼに対して幅広く活性を示す一方でそのサブファミリー以外に対しては選択的な「グループ選択的」阻害剤群が発見された。このデータセットから、特異的な阻害剤が存在しないキナーゼを研究するための試薬として用いることができる化合物が示唆された。また、このデータセットは、キナーゼ阻害剤の性質および毒性の解明を進め、観察される相互作用様式の構造的基盤を研究するための土台にもなるものである。今回の知見は、医薬品の開発および細胞シグナル伝達の基礎研究に関するゲノミクスの直接的な実現可能性を具現化するのに寄与すると考えられる。

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