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好熱性バイオマス分解菌Myceliophthora thermophilaおよびThielavia terrestrisの比較ゲノム解析

Nature Biotechnology 29, 10 doi: 10.1038/nbt.1976

熱安定性酵素および好熱性細胞工場は、多くの化合物およびバイオマス燃料の製造に経済的恩恵をもたらす可能性がある。本論文では、Myceliophthora thermophilaおよびThielavia terrestrisという2種の好熱菌のゲノムを解明して比較した。我々の知る限り、両種のゲノムは好熱性の真核生物として初めて発表されたものであり、糸状菌のテロメアからテロメアまでの完全ゲノム配列としても最初のものである。ゲノム解析結果および実験データは、どちらの好熱菌もバイオマス中に見られる重要な多糖すべてを加水分解する能力を持つことを示唆している。トランスクリプトームのデータおよび分泌タンパク質の分析から、この2種の真菌がセルロースおよびキシランの加水分解では共通の方法を利用している一方、ペクチン分解のメカニズムは異なることが示唆された。組み換え酵素のバイオマス加水分解活性の解析結果は、中温および高温のどちらでも両者がバイオマスをきわめて効率的に分解することを示唆している。我々はさらに、好熱菌が熱安定性酵素の知られざる宝庫であるのみならず、古典的遺伝学および分子遺伝学を用いて簡単に操作可能であることを示唆する証拠も示す。

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