Analysis

エキソームDNA配列解読技術の性能比較

Nature Biotechnology 29, 10 doi: 10.1038/nbt.1975

標的が濃縮されたゲノムDNAの高処理能配列解読による全エキソーム配列解読(exome-seq)は、ヒトゲノムの解釈可能部分を分析する比較的低コストな手段として、基礎研究および臨床橋渡し研究に広く普及した。我々は、アジレント社、イルミナ社、およびニンブルジェン社の3大商用エキソーム配列解読プラットフォームを、同じヒト血液検体に用いて比較した。その結果、高密度に重複するベイトを唯一使用するニンブルジェン社のプラットフォームは、カバーするゲノム領域の数がほかのプラットフォームに及ばないものの、小さい変異体が最少の配列解読で高感度に検出されることが示唆された。アジレント社およびイルミナ社のものは、配列解読を重ねることによって、検出される変異体の総数を増やすことができる。イルミナ社のプラットフォームは、ニンブルジェン社およびアジレント社のプラットフォームが標的としない非翻訳領域を捕捉する。我々はさらに、同じ検体のエキソーム配列解読と全ゲノム配列解読(WGS)を比較し、エキソーム配列解読ではWGSが逃した小さい変異体が検出されることを明らかにした。

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