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ヒト胚性幹細胞株の高分解能DNA解析によって培養誘発性のコピー数変化とヘテロ接合性消失が明らかになる

Nature Biotechnology 28, 4 doi: 10.1038/nbt.1615

ヒト胚性幹細胞(hESC)は、培養期間が長くなると適応を生じ、染色体異常を獲得する場合があるため、厳密な遺伝子解析が必要となる。今回我々は、一塩基多型(SNP)のプローブ906,600個およびコピー数多型(CNV)のプローブ946,000個をもつアフィメトリクス社のSNP 6.0アレイを用い、史上最高分解能のhESC研究を行った。さまざまな研究室で維持された17株のhESCを分析し、サイズが50 kb〜3 MbのCNVを843個同定した。同じ株の初期継代と後期継代を比べると、培養により、平均で、ヘテロ接合性消失(LOH)部位が24%、CNVが66%、それぞれ変化していることが認められた。正常なコピー数状態の試料と比較して、CNV部位内で検出された遺伝子の30%に発現の変化がみられ、そのうち44%超にがんとの機能的な関連が認められた。さらに、従来hESCには認められたことがなかった16番染色体の長腕のLOHが検出された。

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