Resources

シロイヌナズナのゲノム規模の遺伝子ネットワークを用いた遺伝子と形質との合理的関連づけ

Nature Biotechnology 28, 2 doi: 10.1038/nbt.1603

本論文では、ゲノム規模の機能的ネットワークと選択的な逆遺伝学的スクリーニングとの併用によって遺伝子と植物の形質とを関連づける合理的な方法を紹介する。また、基準となる顕花植物シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)の遺伝子19,647個(73%)の機能的関連性に関する確率的ネットワーク(AraNet)も示す。AraNetの関連性はさまざまな生物学的経路を予測し、文献に基づくタンパク質相互作用のみからの予測を上回って55%の遺伝子に関して21%の精度を得た。AraNetは、小規模の機能的スクリーニング用の遺伝子を優先しており、試験的事例として実生の初期発生に応用したところ、的中率は無作為な挿入変異体のスクリーニングの10倍となった。ネットワーク上の隣接遺伝子を検討することにより、AT1G80710(現在はDROUGHT SENSITIVE 1; DRS1)およびAT3G05090(現在はLATERAL ROOTSTIMULATOR 1; LRS1)が、それぞれ乾燥感受性および側根発生の調節因子として同定された。AraNet(http://www.functionalnet.org/aranet/)は、植物遺伝子の機能同定および植物形質の遺伝的解剖を行うための手段をもたらす。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度