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安定化した遺伝子重複が長期間の選択を必要としない異種経路の発現を可能とする

Nature Biotechnology 27, 8 doi: 10.1038/nbt.1555

強い微生物を生物工学産業に利用する場合、異種の遺伝子および経路を遺伝学的に安定して高発現することが求められるのが一般的である。この目的にはプラスミドが利用されているが、遺伝的安定性に関する根本的な問題が十分に解決されてはいない。本論文で紹介する化学誘導的染色体進化法(CIChE)は、大腸菌の操作にプラスミドを用いない高遺伝子コピー発現システムである。CIChEでは、大腸菌のrecA相同組み換えを利用して、組み換えた経路のコピーを連続して約40個もつ染色体を進化させる。経路のコピー数はrecAのノックアウトによって安定化し、得られる組み換え株は選択マーカーが不要でプラスミドの不安定性に影響されることもない。CIChEで作製した株を同等のプラスミドと比較すると、CIChEでは、高代謝負荷バイオポリマーであるポリ-3-ヒドロキシ酪酸を産生する株に関して、遺伝子の安定性が約10倍、増殖期特異的な生産性が約4倍に向上していることがわかった。また、栄養補助物質であるリコピンの産生量は60%増加した。CIChEに必要なのは選択的なゲノム組み込み法およびrecAホモログのみであり、多くの生物への応用が可能と考えられる。

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