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相乗的な薬物の組み合わせは治療的意味のある選択性を改善する傾向がある

Nature Biotechnology 27, 7 doi: 10.1038/nbt.1549

多くの潜在的薬物の実用性に制約を与えている代償機構および無用の非特異的作用を克服するうえで、薬物の組み合わせは有望な戦略である。しかし、この方式への意欲は、組み合わせの治療的相乗作用に相乗的副作用が伴うことに対する懸念によって抑制されている。今回我々は、細菌代謝の大規模シミュレーションおよび種々の疾患に関連する94,110通りの多剤投与実験により、単独薬の活性と比較して相乗的な薬物の組み合わせの方が、特定の細胞状況に特異的である場合が多いことを証明した。我々は、選択的相乗作用が多標的薬物の活性に依存する6通りの組み合わせに注目した。ある抗炎症剤の例では、毒性のない治療効果による細胞種内の薬物標的の差次的発現を通じてそのような選択性がどのように得られるかを示し、喘息ラットモデルでその治療的妥当性を確認した。相乗的な組み合わせの細胞状況特異性により、治療的意味のある選択性が得られる可能性が高まり、複雑な生体システムの制御が改善される。

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