Analysis

免疫沈降を利用したDNAメチローム解析のためのベイズ・デコンボリューション法

Nature Biotechnology 26, 7 doi: 10.1038/nbt1414

DNAのメチル化は哺乳動物ゲノムの発現制御に必要な後成的修飾である。免疫沈降を利用したDNAメチローム解析法によってこの分野の障害はデータ生成からデータ解析へと急速に転換しており、さらに優れた解析ツールの開発が必要とされている。特に、絶対的なメチル化レベルの評価ができないことは、未だに免疫沈降を利用したDNAメチル化プロファイル解析に関する分析上の大きな問題である。この問題を解決するため、オリゴヌクレオチドアレイ(MeDIP-chip)または次世代の配列解読法(MeDIP-seq)で得たメチル化DNA免疫沈降(MeDIP)プロファイルの解析用に、プラットフォーム横断的なアルゴリズム ― メチル化解析用のベイズ法ツールBatman ― を開発した。MeDIP-seqを開発したことにより、哺乳動物ゲノムの高分解能な全ゲノムDNAメチル化プロファイル(DNAメチローム)が得られた。成熟ヒト精子を用いて得られたデータと亜硫酸水素塩を用いる配列解読法によるデータとの強い相関関係から、MeDIP-seqまたはMeDIP-chipとBatmanとの組み合わせが、DNAのメチル化の機能を解明するための定量的、経済的で確実な機能ゲノミクス的方法となることが示唆された。

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