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単発感染性粒子による西ナイルウイルスに対するDNAワクチンの免疫原性の増強

Nature Biotechnology 26, 5 doi: 10.1038/nbt1400

複製欠損ウイルスをコードするDNAワクチンは、不活化ウイルスおよび弱毒化生ウイルスと比較して安全であるが、ワクチン接種の効果を得るのに十分な免疫応答が刺激されない場合がある。我々は、カプシドタンパク質を別のプロモーターから共発現させることにより、カプシド欠損フラビウイルスDNAワクチンの防御能力の増強に成功した。カプシド欠損RNA転写物は、トランスフェクトした細胞の中で複製および翻訳され、ヌクレオカプシドを欠損したウイルス様粒子が産生および分泌される。またこのRNAは、共発現させたカプシドタンパク質でパッケージされて分泌性単発感染性粒子(SRIP)となり、近傍の細胞に輸送される。RNAはSRIP感染細胞の中で再び複製され、ウイルス様粒子がさらに産生されるが、カプシドRNAの非存在下ではSRIPが形成されず、それ以上広がることがない。カプシドをコードしていないという点以外の差がない作製物と比較すると、我々のワクチンの方が、致命的な西ナイルウイルスに感染したマウスを守る能力が高い。ウマでウイルス中和抗体を誘発することもでき、西ナイルウイルス以外の病原性フラビウイルスに対するワクチンがこの方法で実現される可能性がある。

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