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HIV-1 Vifの低分子による阻害

Nature Biotechnology 26, 10 doi: 10.1038/nbt.1496

HIV-1タンパク質Vifは、in vivoでのウイルス複製に不可欠であり、レトロウイルスおよびB型肝炎ウイルスの複製を阻害するヒトのDNA編集酵素「APOBEC3G」(A3G)を標的とする。Vifには細胞内ホモログが存在しないため、未だ実現してはいないが、抗ウイルス剤による治療の対象として有望である。亜鉛をキレート化すると、Vifが阻害されてウイルスのA3G感受性が亢進するが、この作用はVifとA3Gとの相互作用には無関係である。我々は、A3G存在下でのみVifの機能を遮断してHIV-1の複製を阻害する低分子「RN-18」を見出した。RN-18は、Vif依存的に細胞内のA3Gレベルを上昇させ、プロテアソームを介する一般的なタンパク質分解を阻害することなくA3Gのビリオンへの取り込み量を増加させる。また、A3G存在下でのみVifの分解を促進し、A3Gのビリオンへの取り込み量を増加させることによってウイルスの感染性を抑制し、ウイルスゲノムのシチジンの脱アミノ化を促進する。この結果から、HIV-1 Vif−A3G軸は、低分子による新しいHIV感染治療法の開発、またはウイルスに対する自然免疫の強化のための有効な標的であることが明らかになった。

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