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特異性の高いゲノム編集用の改良型亜鉛フィンガーヌクレアーゼ構造

Nature Biotechnology 25, 7 doi: 10.1038/nbt1319

亜鉛フィンガーヌクレアーゼ(ZFN)によるゲノム編集では、標的遺伝子に組み換えを生ずる二重鎖切断端を与えると遺伝子操作率が高まる(>10%)。その切断事象を誘導する特別に設計された2種類のZFNは、DNA結合時にヘテロ二量体化して触媒活性を示すヌクレアーゼ複合体を形成する。一方、従来のZFN構造を用いると、切断能力をもつホモ二量体も生じ、非特異的切断によって安全性または有効性が損なわれる場合がある。本研究ではこの問題を回避する改良型ZFN構造を開発した。構造に基づく設計により、ヘテロ二量体を形成した場合のみDNAを効率的に切断する変異ZFNを2種類作製した。このZFNは未処理の内在遺伝子座に対して親構造に匹敵するほど効率的に作用するが、ホモ二量体の機能は40分の1未満に低下し、ゲノム全体の切断のレベルがはるかに低い。この構造は、ZFNの遺伝子操作試薬としての特異性を向上させる普遍的な手段をもたらすものである。

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