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先進的な独立系リボソームは合成遺伝暗号の拡張効率を高める

Nature Biotechnology 25, 7 doi: 10.1038/nbt1314

アンバーコドンを抑制して非天然型アミノ酸をin vivoで組み込むには、終結因子1によるペプチド鎖終結という制約がある。独立系リボソーム−mRNA対は、天然のリボソームおよびmRNAとは関係なく並列的に機能する。本論文では、独立系mRNA上に存在するアンバーコドンのtRNA cua依存的なデコードが、先進的な独立系リボソーム(ribo-X)によって改善されることを示す。大腸菌でribo-X、独立系mRNAおよび独立系アミノアシルtRNA合成酵素/tRNA対を組み合わせると、非天然型アミノ酸の部位特異的な組み込み効率は、アンバーコドンがひとつの場合で約20%から60%超に、ふたつの場合で1%未満から20%超に向上した。我々は、このような改善が独立系リボソームと終結因子1との機能的相互作用が弱まった結果であるという仮説を立てている。この技術を用いれば、非天然型アミノ酸の組み込みを利用してin vivoでタンパク質機能を検討する実験で、切断タンパク質の機能および表現型への影響が最小化されると考えられる。

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