Review

ウイルスに対するRNA干渉:攻撃と反撃

Nature Biotechnology 25, 12 doi: 10.1038/nbt1369

RNA干渉(RNAi)は不変的で配列特異的な遺伝子サイレンシング機構であり、二本鎖RNAによって誘導される。RNAiはがんや感染症、遺伝病などさまざまな疾患に対する核酸を利用した新治療法として大いに期待されている。ウイルスに対するRNAi戦略は耳目を集めており、複数の化合物で臨床試験が進行中である。RNAiの誘導によってウイルス複製に重大な特異的阻害を引き起こすことはできるが、RNA療法は当初期待されたほど簡単でないことが明らかになりつつある。毒性および適切な細胞への送達に関する問題はかつてアンチセンスを利用する治療法の開発を妨げたが、RNAiにもこれがあてはまる可能性がある。さらに、ウイルスがRNAiを回避する方法を発達させているという証拠もある。ヒト病原性ウイルスの臨床介入を成功させるには、RNAiを利用する治療法の設計でこうした問題すべてに対して適切に配慮することが必要であろう。

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