Review

定量的な遺伝子発現プラットフォームによるDNAマイクロアレイの結果の評価

Nature Biotechnology 24, 9 doi: 10.1038/nbt1236

今回我々はマイクロアレイ品質管理(MAQC)プロジェクトのデータセットを利用して3種類の定量遺伝子発現技術の性能特性を評価し、5種類の市販のマイクロアレイプラットフォームと発現測定結果の相関性を検討した。TaqMan遺伝子発現解析法の997個、標準化RT(Sta)RT-PCR解析法の205個、およびQuantiGene 解析法の224個に関して検出限界、解析範囲、精密度、正確度、および発現比(fold-change)の相関を評価した。TaqManはロシュ・モレキュラー・システムズ社の登録商標である。定量遺伝子発現値とマイクロアレイプラットフォームの解析結果には高い相関性がみられ、どのプラットフォームでも測定値の不一致はほとんど認められなかった。ばらつきの主な原因はプローブの配列とそれに伴う標的の位置の違いによるものであった。第二の原因は発現量の低い遺伝子の検出に対する各マイクロアレイプラットフォームの感度の限界およびばらつきであり、これが差次的発現遺伝子のプラットフォーム間および部位間の再現性に影響している。今回の分析では、遺伝子発現の定量解析に対するマイクロアレイプラットフォームの使用が妥当であることが裏づけられ、MAQCのマイクロアレイデータセットが新たな定量的遺伝子発現プラットフォームによって確認されたものと判断した。

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