Review

タンパク質バイオマーカーの探索および評価:臨床利用までの長く不透明な道のり

Nature Biotechnology 24, 8 doi: 10.1038/nbt1235

診断の改善や分子標的療法の選択、疾患の活動性および治療効果の監視のため、さまざまな疾患で優れたバイオマーカーが緊急に必要とされている。質量分析法を利用するプロテオミクス的方法は、新たな臨床血液検査法の基盤となる可能性をもつ新規バイオマーカーを探索する上できわめて有望であるが、これまでのところ診断法には期待されたほど寄与していない。これはマーカー探索と既定の評価法とを結ぶ確固たるパイプラインの欠如が一因である。方法および技術の進歩により、候補の探索、確認、検証、研究分析法の最適化、バイオマーカーの評価および商品化という6段階の重要な工程からなる包括的なバイオマーカーのパイプラインを構築することが現在可能となっている。バイオマーカーの探索と評価に関わる工程の全体および各段階に特有の問題や方法について理解が進むことで、実験研究計画が改善され、ひいてはバイオマーカーの開発効率が向上して新たな臨床試験法の開発と展開が促進されると考えられる。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度