Review

変異を標的とするがん治療法の開発および利用で手引診断が果たす役割

Nature Biotechnology 24, 8 doi: 10.1038/nbt1234

がん細胞と正常細胞に関して知られているあらゆる差のなかで、遺伝子の差以外に両細胞を明確に区別するものはない。したがって、最近の治療法の進歩が、がん細胞で変異した遺伝子の産物を特異的に標的とする薬物を利用するものであるのは自然なことである。そのような治療法が奏効しそうな患者を識別する能力は、こうした発見から当然のように生じている。患者の識別を目的とする手引診断(companion diagnostics)検査の開発は進んでいるが、一層の注目を集めてしかるべきである。手引診断検査は、新薬探索工程を単純化し、臨床試験の効率を高めて多くの情報を引き出す可能性があるとともに、がん患者の治療法の個別化に利用可能と考えられる。

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