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膜電位の電気刺激および蛍光検出による電圧作動性ナトリウムチャネル遮断薬の解析

Nature Biotechnology 24, 4 doi: 10.1038/nbt1194

電位作動性イオンチャネルは多くの生理機能を制御しており、さまざまな薬物の標的となっている。パッチクランプ電気生理学は電圧制御、反復刺激および高時間分解能という必要条件を満たしているため、チャネル活性の標準的測定法となっているが、困難で費用もかかる。本論文では、電気刺激電圧イオンプローブリーダー(E-VIPR)と呼ばれる電気光学技術を用いた自動化装置を紹介する。この装置は、細胞外の電場刺激および電圧感受性蛍光プローブを用いて電圧作動性イオンチャネルの活性を測定する。我々は、ヒト胚性腎細胞で発現するニューロンのヒトIII型電圧作動性ナトリウムチャネルの遮断に関して薬物の効果および機構がE-VIPRで感度よく検出されることを確認した。結果を電圧固定法と比較すると、E-VIPRでは高感度で情報量の豊富な化合物遮断活性が得られることが明らかにされた。さらに、約400種類の薬物をスクリーニングしたところ、約25%にナトリウムチャネル遮断活性が認められ、そのなかには抗うつ薬セルトラリン(ゾロフト)およびパロキセチン(パキシル)が含まれていた。

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