Review

組換え抗体ライブラリーの選択およびスクリーニング

Nature Biotechnology 23, 9 doi: 10.1038/nbt1126

過去10年間、大量の組換え抗体断片からモノクローナル抗体(mAb)を単離するためにディスプレイ法数種類をはじめとするライブラリースクリーニング技術が開発されてきた。こうした技術は現在、親和性および特異性の高いヒト抗体を作製するために広く用いられている。いまや、優れた抗体ライブラリーのデザイン、および選択の考え方により、実質的にはどのような特異性をもつmAbリードでも同定することが可能である。革新的な戦略によって超高親和性、高安定性、および高い効力を有する結合部位を定向進化させることが可能となり、それは時に免疫化では達成不能なほどのものとなる。この技術の自動化で、ひとつの治療標的に対する何百種類ものリード抗体を同定することが可能となっている。この新世代抗体にはすでに治療用に認可されているアダリムマブ(ヒューミラ、ヒト腫瘍壊死因子(TNF)に特異的なヒトIgG1)のほか臨床試験中のもの多数があり、このような組換え抗体技術は、今後何十年も抗体を用いたバイオ医薬品、診断薬、および研究用試薬を発見するための堅固な基盤になると考えられる。

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