Letter

血管新生した骨格筋組織の作製

Nature Biotechnology 23, 7 doi: 10.1038/nbt1109

筋肉など厚みのある複雑な組織を作製する場合、in vitroで組織に血管を新生させる必要のあることが大きな障害となっている。in vitroで血管新生が行われれば、組織の成長中に細胞の生存能力を維持し、構造形成を誘導するともに、移植に伴う血管新生を促進することが可能となる。本論文では、筋芽細胞、胚性線維芽細胞および内皮細胞を高多孔質の生分解性ポリマーの足場に同時播種した3次元の複合培養系を用い、人工的に作製した骨格筋組織で内皮血管ネットワークを誘導したことを示す。in vitroでの血管の誘導および安定化に関する条件を分析したところ、胚性線維芽細胞を加えると人工組織中で血管内皮成長因子の発現量が増大し、内皮血管の形成および安定化が促進されることが明らかにされた。人工筋移植片のin vivoでの生残率および血管新生は3種類のモデルで検討した。前血管新生を行うと、移植後の人工筋組織の血管新生、血液灌流、および生残率に改善が認められた。

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