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酵素マイクロアレイを用いた酵素活性による酵素ファミリー特異的な化学物質ライブラリーのスクリーニング

Nature Biotechnology 23, 5 doi: 10.1038/nbt1090

タンパク質マイクロアレイは高処理能スクリーニング(HTS)で未だ十分には利用されていない。基本的にこれは、意味のある定量的データを実験で得ることが困難であるためである。酵素マイクロアレイに限れば、低分子量の蛍光親和性標識(FAL)が、マイクロアレイ化された酵素の活性に理想的なプローブとして機能すると考えられる。FALは酵素と活性依存的に共有結合を形成するため、マイクロアレイ作製工程で決まる各酵素の固定位置での活性を明らかにするために利用することができる。この原理に基づき、本論文では対象酵素マイクロアレイ(TEMA)を紹介する。反応速度論段階では、TEMAを用いて全反応速度論定数を求め、マイクロアレイ化した酵素(マイクロアレイの対象)と酵素ファミリーに対応するFALとの反応機構を解明した。この反応速度論情報に基づいて、HTS段階では、各マイクロアレイ化酵素に対して化学物質ライブラリーの化合物がもつ阻害特性を定量的かつ多重的に見極めるための実際的で理論的な方法を確立した。最後に、確認段階では、Kiapp値および阻害物質特性を確認し、精度を高めた。

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