Letter

哺乳動物の先天性免疫応答の合成siRNAによる配列依存的な刺激

Nature Biotechnology 23, 4 doi: 10.1038/nbt1081

RNA干渉(RNAi)によって特定遺伝子を発現させないようにする低分子干渉RNA(siRNA)は、遺伝子機能の研究に広く用いられており、医療用の開発も進められている。二重鎖RNA(dsRNA)および単鎖RNA(ssRNA)を含め、核酸には哺乳動物の先天的サイトカイン応答を刺激するものが多い。しかし、siRNAがそのような影響を免疫系に与えるかどうかを検討する研究はほとんど行われていない。このため、免疫刺激に伴う副作用および毒性がsiRNAのin vivoへの応用に重大な影響を及ぼすこととなりかねない。本論文では、非ウイルス性の送達媒体に乗せた合成siRNAが、in vivoマウスでもin vitroヒト血液でも、インターフェロンおよび炎症性サイトカインを強力に誘導する作用をもつことを示す。siRNA製剤の免疫刺激活性およびそれに伴う毒性は核酸の配列に依存している。免疫刺激を生ずるものとして我々が特定したモチーフによって、RNAiを実現する一方で免疫活性化の誘導が最小限となるようなsiRNAの設計が可能となった。

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