Review

GM作物の耐虫性管理:過去、現在、未来

Nature Biotechnology 23, 1 doi: 10.1038/nbt1056

細菌Bacillus thuringiensis(Bt)に由来する殺虫タンパク質を発現する遺伝子組換え植物は、普及すれば否応なく耐性が出現して害虫のBtタンパク質感受性という「公共の利益」が失われるのではないかと科学者、規制当局者、および環境保護論者が懸念するなかで、1996年に初めて商業化された。 8年後、BtトウモロコシおよびBtワタは、世界の8000万ヘクタールを超える耕地で栽培されるまでになった。不利益な方向への悲観的予測は出されているが、今のところBt作物への耐性は報じられておらず、現在までの耐性管理法が有効であったことが示唆されている。しかし、現在の耐性出現予防法は、理想からはほど遠いものである。耐性が出現しなかったこの8年間は、研究者、規制当局者、および産業界にとって、耐性のリスクを再評価するとともに、開発中のBt作物およびその他の新規耐虫性作物を保護する最も有効な方法を再検討するためのよい機会となっている。

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