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緑色蛍光タンパク質の組換え型自己結合性断片によるタンパク質のタグ付けおよび検出

Nature Biotechnology 23, 1 doi: 10.1038/nbt1044

タンパク質をタグ付けして検出するために従来用いられてきた方法は強力であるが、欠点もある。分割型のタンパク質タグはタンパク質の溶解度に影響する場合があり、生細胞では機能しないこともある。緑色蛍光タンパク質(GFP)との融合では、タンパク質の折り畳みに誤りが生じたり、プロセシングが変化したりする場合がある。蛍光を発する二ヒ素化基質であるFLaSHまたはReASHであればこうした制約の多くは解消されるが、ポリシステインタグモチーフおよび還元環境が必要とされ、細胞のトランスフェクションまたは透過化処理も求められる。理想的なタンパク質タグとは、遺伝子コードされており、in vivoでもin vitroでも機能し、高感度の分析用信号を発し、外部からの化学試薬および基質を必要としないものと考えられる。分割型GFPはこれを実現する方法のひとつであるが、既報のGFP断片では大きくて折り畳みが不十分であり、結合させるために化学的な連結反応または相互作用パートナーの融合が必要であったり、さもなければ検出可能な折り畳まれた蛍光GFPを形成するための同時発現または同時再折り畳みが必要であったりする。我々が作製したGFPの可溶性自己結合性断片は、生細胞または細胞溶解物中で可溶性または不溶性タンパク質のいずれかをタグ付けして検出するために用いることができるものである。この分割型GFP系は単純であり、融合タンパク質の溶解度を左右することがない。

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