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キイロショウジョウバエで末端配列削除によって組み込み後安定化したトランスポゾンベクター

Nature Biotechnology 22, 9 doi: 10.1038/nbt1002

ほぼ20種の昆虫に用いられている生殖系列形質転換システムは転移因子に依拠しており、基礎および応用研究で用いられるトランスジェニック昆虫の開発はこのシステムによって可能となっている。このシステムでは欠損非自律性ベクターが用いられ、一過的に供給されたトランスポザーゼヘルパープラスミドが消失することによってベクターの組み込みが安定化する。このことは育種系統を確立し導入遺伝子を安定的に発現させるうえで不可欠であり、ベクターが再び可動化すればすべて無に帰する。今のところ想定外のトランスポザーゼ供給源による再可動化のリスクが実験室での研究で問題にされることはないが、何百万匹ものトランスジェニック昆虫の使用が見込まれる生物的防除計画ではこのリスクが増大し、屋外放虫計画の生態学的安全性に関して重大な問題となる。本論文で示すのは、ゲノムに組み込まれたトランスポゾンベクターの末端反復配列を効率的に削除する方法である。本法によってほかの末端配列および付随する遺伝子がトランスポザーゼで再可動化しなくなり、ゲノムの安定性が確実なものとなる。

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