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半導体量子ドットを用いたがんのin vivo標的化および画像化

Nature Biotechnology 22, 8 doi: 10.1038/nbt994

生動物体内でがんを標的化し画像化する半導体量子ドット(QD)を用いて多機能ナノ粒子プローブを開発した。その構造デザインは、ABCトリブロック共重合体による発光性QDの封入とともに、この両親媒性重合体への腫瘍標的リガンドおよび薬物送達機能の付与によるものである。ヌードマウスで増殖させたヒト前立腺がんのin vivo標的化試験では、透過性および腫瘍部位での滞留能の改良とともに、がん特異的細胞表面バイオマーカーに結合する抗体の機能によって、QDプローブが腫瘍に蓄積することが示された。QDタグをつけたがん細胞の皮下注射でも多機能QDプローブの全身投与でも、in vivo条件下でがん細胞を高感度に多色蛍光で画像化することができた。また、効率的にバックグラウンドを除去して弱いスペクトルサインを正確に視覚化するため、波長分解スペクトル画像化機能をもつ全身マクロ照射系も組み込んだ。本試験の結果は、分子標的のin vivoでの超高感度な多重画像化に新たな可能性をもたらすものである。

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