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リグノセルロースを分解する白色腐朽菌Phanerochaete chrysosporium RP78 株のゲノム配列

Nature Biotechnology 22, 6 doi: 10.1038/nbt967

白色腐朽菌が分解するリグニンは、地球上で最も豊富な天然材料のひとつである木材に含まれる複雑な芳香族重合体である。白色腐朽菌が利用する細胞外酸化酵素は、爆発性汚染物質、農薬および有毒廃棄物中にみられる近縁芳香族化合物の変換も可能である。我々は全ゲノムショットガン法を用いてPhanerochaete chrysosporium RP78株のゲノム3000万塩基対の配列を解析した。P. chrysosporiumのゲノムには、木材の分解で連携する分泌性の酸化酵素、過酸化酵素および加水分解酵素をコードする遺伝子が多数存在することがわかった。ゲノムデータの解析によって地球の炭素循環の重要な過程であるリグノセルロースの分解に関する理解が深まり、応用生物学的なバイオマス利用法、有機汚染物質分解法および繊維漂白法の開発を進めるための基盤が得られる。このゲノムから、重大な植物病原体および動物病原体を含む主要な菌門のひとつである担子菌の高精度な概要配列が得られた。

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