Research Highlights

正負いずれの選択にも使用可能な植物用条件マーカー遺伝子

Nature Biotechnology 22, 4 doi: 10.1038/nbt946

選択マーカーは、形質転換後の遺伝子組み換え植物または細胞の同定を可能にするものであり、組換え体に有利に働くポジティブマーカーと不利に働くネガティブマーカーとに大別される。本論文で紹介するマーカー遺伝子dao1は、D-アミノ酸オキシダーゼ(DAAO,EC 1.4.3.3)をコードしており、用いる基質によって正負いずれの選択にも使用可能である。DAAOはさまざまなD-アミノ酸の酸化的脱アミノ反応を触媒する。選択の基盤となるのは、各種D-アミノ酸およびその代謝産物の植物に対する毒性の差である。たとえば、D-アラニンおよびD-セリンは植物にとって有毒であるがDAAOによって非毒性物質へと代謝されるのに対し、毒性の低いD-イソロイシンおよびD-バリンはそれぞれ有毒なケト酸の3-メチル-2-オキソペンタン酸および3-メチル-2-オキソブタン酸へと代謝される。このように、同一マーカー遺伝子によって正負双方の選択が可能となる。このマーカーの有効性はArabidopsis thalianaで確認され、用途が広いこと、明瞭な結果が迅速に得られること、および発芽直後の選択に利用可能であることが示された。

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