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RNA干渉のための合理的なsiRNA設計

Nature Biotechnology 22, 3 doi: 10.1038/nbt936

低分子干渉RNAは、RNA干渉(RNAi)と呼ばれる高度に制御された酵素反応過程を介して遺伝子発現を抑制する。RNAiに関与するRNA−タンパク質相互作用は多数あり、siRNAのRNA誘導サイレンシング複合体(RISC)への取り込み、RISCの活性化、標的認識および標的切断の4段階に大別される。この相互作用は、siRNA−RISC複合体が生成および活性化するときの鎖の選択に影響し、RNAi全体の効率に寄与している可能性がある。siRNAに関して、各段階での効率的プロセシングに寄与することが考えられる特徴を確認するため、2遺伝子のmRNAを標的とするsiRNA 180個を体系的に分析した。siRNAの機能性に影響する特徴は8項目が特定され、低GC含量、センス鎖3'末端の内部安定性の低値傾向、逆方向反復の欠如のほか、センス鎖に塩基選択性(第3、10、13 および19塩基)が認められた。さらに解析すると、8条件すべてを組み込んだアルゴリズムの適用によって、有効なsiRNAの選択率が有意に向上することが明らかにされた。このことは、有効なsiRNAの選択および機能的遺伝子ノックダウン研究の促進に合理的設計が有用であることを示すものである。

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