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共焦点顕微鏡およびストリークカメラによる心臓のNa+チャネルサブユニット間FRETの測定

Nature Biotechnology 22, 2 doi: 10.1038/nbt935

生体分子研究では、タンパク質がいつどこで会合するかが重要な問題となる場合が多い。相互作用するタンパク質を適切なドナーおよびアクセプター蛍光色素で標識すれば、この問題の検討に蛍光共鳴エネルギー移動法(FRET)を利用することができる。本論文では、モードロックレーザー、共焦点顕微鏡およびストリークカメラを用いたFRET効率測定の改良法を紹介する。この方法を用いてヒト心臓ナトリウムチャネルのαおよびβ1サブユニットの会合を調べた。各サブユニットは緑色蛍光タンパク質(GFP)のシアンおよび黄色変異体で標識し、ヒト胚性腎臓(HEK293)細胞で発現させた。小胞体(ER)でのチャネルサブユニット間FRETは明瞭であり、サブユニットは会合してから細胞膜に到達することが示唆された。本論文の方法によって、ドナーおよびアクセプターの蛍光減衰が同時測定可能となり、FRET効率の評価が自ずから確実なものとなる。

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