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近至適効率でのタンパク質間相互作用ネットワークの解明

Nature Biotechnology 22, 1 doi: 10.1038/nbt921

遺伝子および遺伝子産物の機能の解明は、ゲノム時代の主要目標である。すべての遺伝子産物の相互作用情報を調べることは、タンパク質のジグソーパズルを組み立てて機能マップを構築する直接的な方法である。本論文では、ネットワークに基づく戦略で探索子タンパク質を選択することによって、単一タンパク質を探索子として他のタンパク質との相互作用を検出するプルダウン実験から得られる情報量を最大化する方法を示す。タンパク質間相互作用ネットワークの分布はスケールフリーであるため、まず連結数の多い結節点(ハブ)に注目することによって、迅速に相互作用を網羅することができた。あいにく、ハブを特定するには、これから解明しようとするネットワークの包括的な情報が事前に必要である。今回我々は、連続的プルダウン実験が進むに従って収集される局所的な情報のみから連結数の多い結節点を同定するための、最適化された「都度払い(pay-as-yougo )」戦略を紹介する。この戦略では、10,000回のプルダウン実験でヒトのインタラクトームの90%を網羅することができ、その相互作用の50%が双方向プルダウン実験で確認されるものと推定される。

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