Research Abstract

可視光応答性GaN-ZnO固溶体系のナノ粒子光触媒膜からなる人工光合成アノード電極

An artificial photosynthesis anode electrode composed of a nanoparticulate photocatalyst film in a visible light responsive GaN-ZnO solid solution system

2016年10月19日 Scientific Reports 6 : 35593 doi: 10.1038/srep35593

可視光応答性GaN-ZnO固溶体系のナノ粒子光触媒膜からなる人工光合成アノード電極
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太陽光と水と二酸化炭素から酸素と水素または有機エネルギーを発生させる人工光合成技術は,本多-藤嶋効果としても良く知られており、効果的なエネルギー・環境技術である。アノード電極は,この反応系の効率を高める重要な部品であり、一般的に導電性フッ素ドープ酸化スズ(FTO)付きガラス基板上に形成された光触媒で構成されている。高い効率を有する電極を得るためには、通常、多元素からなる複雑な組成の可視光応答性光触媒のナノ粒子でできた緻密な膜をFTO上に堆積・付着させる必要がある。我々は、本研究で、エアロゾルタイプのナノ粒子成膜(NPD)の条件を制御することで,膜の電子構造をコントロールする方法を見出し、原料粉末よりも小さいバンドギャップの材料膜を形成することで、アノード電極からより大きな電流を取り出すことに成功した。その結果、我々は、同一材料を用いて従来のプロセスで作製した場合と比較して、約100倍の高い電流が得られることを確認した。この効果は、本論文で検討した材料(GaN-ZnO)だけでなく、固溶体をはじめ、あらゆる光触媒材料で得られると予想される。

Yoshihiko Imanaka, Toshihisa Anazawa, Toshio Manabe, Hideyuki Amada, Sachio Ido, Fumiaki Kumasaka, Naoki Awaji, Gabriel Sánchez-Santolino, Ryo Ishikawa and Yuichi Ikuhara

Corresponding Author

今中 佳彦
富士通研究所

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