Scientific Data ブログ

Scientific Data 日本へのアウトリーチ活動

9 Dec 2014 原文: Scientific Data outreach in Japan

Scientific Data と Nature Publishing Group によるオープンデータ関連の試みについて、日本を対象とするいくつかのイベントで紹介をする機会がありました。

日本人類遺伝学会第59回大会

日本人類遺伝学会第59回大会期間中、日本人類遺伝学会と Nature Publishing Group が共催するランチョンセミナーが11月22日に開催されました。『オープンリサーチが変える学術コミュニケーション:オープンアクセス、オープンデータについて知っておくべきこと-Scientific DataHuman Genome Variation を例に-』というテーマで、オープンデータ運動に関連する近年の動向を紹介するとともに、本年創刊したScientific DataHuman Genome Variation の取り組みが紹介されました。

Scientific Data については本誌の編集委員である川路英哉先生(理化学研究所予防医療・診断技術開発プログラムならびに理化学研究所情報基盤センター)に、ご研究のコンテクストから同じデータを使って複数の新知見が得られるというお話の後、Scientific Data の主要原則とその特有のコンテンツである Data Descriptor についてご講演いただきました。

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セミナーでは、日本人類遺伝学会公式誌Journal of Human Genetics (JHG) 編集長である松本直道先生にゲノム研究おけるデータベースの重要性に関するご講演があり、またゲノム変異情報の簡易データベースを備えたJHGの姉妹誌Human Genome Variation (HGV) の編集長、徳永勝士先生より、ヒトゲノム研究における重要な発見、観察、分析を発表する場所としてHGVがゲノム医学研究者コミュニティーにいかに貢献できるかというお話をいただきました。

ランチョンセミナーには約250名が参加し、さまざまな議論や質問が寄せられ、盛況のうちに終了しました。アンケート結果でも82%の参加者から「セミナーが役立った」という回答を得られました。

第37回日本分子生物学会年会

11月26日、第37回日本分子生物学会年会で開催されたイブニングフォーラム2F15 『種を超えて保存された生理代謝機構の解明に向けて:データベースによるアプローチ』でもScientific Data を紹介する機会がありました。本フォーラムには60名の研究者が参加し、特にバイオインフォマティクスの研究者の間で活発な議論が交わされました。講演内容はデータの再現と再利用に関する出版社側からの視点を中心に、Scientific Data の紹介ならびに本誌が推奨するリポジトリをご紹介しました。

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さらに学会終盤に弊社展示ブースでの Meet the Editor セッションを開催し、川路先生にScientific Data に関する質問にお答えいただきました。複数の学会参加者が立ち寄り、投稿やデータキュレーション、メタデータについての意見交換を行い、川路先生からはScientific Data の特有コンテンツであるISAツールについて詳しい説明をいただきました。

日本語記事紹介

最後に、12月1日、SScientific Data に関する日本語の紹介記事が、科学技術振興機構から刊行される『情報管理』2014年12月号に掲載されました。クリエイティブコモンズCC-BYに準拠したオープンアクセスで出版されています。
Scientific Data:データの再利用を促進するオープンアクセス・オープンデータジャーナル『情報管理』 Vol. 57 (2014) No. 9 P629-640

本記事の英語版(プレプリント版)も Figshare で公開されています。

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