Review Article

新薬開発における膜輸送体と精密医療の決定要因としての膜輸送体

Nature Reviews Drug Discovery 23, 4 doi: 10.1038/s41573-023-00877-1

膜輸送体が薬物の体内動態、有効性および安全性に影響を及ぼすことは、現在、広く認められている。輸送体が果たす役割と機能の理解、並びに輸送体を介した活性、毒性および薬物-薬物相互作用(DDI)を評価および予測するためのツールおよびモデルの開発に関しては、国際トランスポーターコンソーシアムによる総説論文の発表から今までに著しい進展があった。注目すべき進展としては、輸送体の活性に対する内因性因子および外因性因子の影響に関する理解の増進、生理学的薬物動態モデリングの適用による輸送体を介した薬物体内動態の予測、輸送体を介したDDIを評価するための内因性バイオマーカーの同定、並びにSLC輸送体およびABC輸送体のクライオ(極低温)電子顕微鏡構造の決定がある。本論文では、こうした重要な進展の概要を示して、未解決の問題、規制上の考慮事項および今後の方向性を特に論じる。

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