Review Article

神経変性疾患の治療のためにシナプスの機能および消失を標的とする

Nature Reviews Drug Discovery 23, 1 doi: 10.1038/s41573-023-00823-1

シナプスの機能不全と消失は、認知機能の低下と相関する神経変性疾患の特徴である。しかし、シナプスの損傷を予防したり回復させたりする機構や治療戦略は、いまだ解明されていない。本総説では、タンパク質の凝集や神経の炎症影響など、神経変性疾患においてシナプスを障害する分子経路と細胞内経路の理解における最近の進歩について述べる。我々はまた、シナプスの可塑性の増強、シナプス毒性の予防、ニューロンネットワークの活性の調節、そして免疫シグナル伝達経路の標的化など、シナプスの機能と完全性を回復させることを目的とした新たな治療アプローチにも重点を置いて述べる。そして我々は、それぞれの治療戦略の前臨床エビデンスと臨床エビデンスの他、神経変性疾患に対する効果的なシナプス標的治療薬の開発における課題と機会についても論じる。

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