Perspective

表現型創薬:最近の成功例、学んだ教訓と新たな方向性

Nature Reviews Drug Discovery 21, 12 doi: 10.1038/s41573-022-00472-w

多くの薬剤やその前身薬剤の創薬は、正常時や疾患時の生理的状態に対する作用の観察によって行われてきた。この表現型創薬という手法は、これまでの世代において、関心対象となる特定の分子標的を調節するという強力だが還元主義的な手法にほぼ取って代わられていた。しかし、当初の創薬コンセプトに最新のツールや戦略を組み合わせた現代版の表現型創薬が、ここ10年の間に登場し、現実に即した疾患モデルにおける治療効果に基づいた創薬が体系的に追求されてきた。本論文では、この手法による最近の成功例を論じるとともに、未解決の課題とそれに取り組むための数々の手法についても考察する。また、この分野でのイノベーションによって次世代のプロジェクトの成功を加速させる可能性についても模索する。

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