Review Article

自己免疫および炎症におけるキナーゼ阻害

Nature Reviews Drug Discovery 20, 1 doi: 10.1038/s41573-020-0082-8

自己免疫疾患および炎症疾患の治療における最近の進歩にもかかわらず、いくつかの疾患領域ではアンメット・メディカル・ニーズがいまだ存在している。調節不全の炎症を緩和するための主な治療手法の1つは、炎症性メディエーターの生産を調節するキナーゼ群の活性を標的とすることであった。小分子キナーゼ阻害剤は、広範な有効性、利便性および組織浸透性の可能性を有しており、このため生物製剤よりも重要な利点をもたらすことが多い。しかし、標的選択性と最小のオフターゲット効果を併せ持つキナーゼ阻害剤を設計することは困難な場合がある。それにもかかわらず、JAKやIRAK4、RIPK、BTK、SYK、TPL2の阻害剤など、望ましい薬剤様の特性を持つキナーゼ阻害剤の臨床応用には大きな進展が見られている。本総説では、キナーゼ阻害剤を中心とした最新の発見について、臨床で検証された自己免疫経路や炎症経路に重点を置いて紹介する。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度