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創薬における人類遺伝学とマウスモデルの好循環

Nature Reviews Drug Discovery 18, 4 doi: 10.1038/s41573-018-0009-9

現在進行中の多くの生物種に関する研究は、正常条件と機能不全条件の下での表現型変動の起源、構造、影響を解明することを目指し、疾患の予防、症状の安定化、疾患からの回復をもたらすことのできる介入標的の特定を目標としている。これらの論点の研究においてはヒトだけを適切な研究対象と考え、マウスモデルの研究で特定された薬剤標的候補はほとんど信頼できないと主張する者がいる。本総説では、遺伝原理、発症機構、治療法の解明におけるマウスモデルの基本的貢献が続いていることを示す膨大な証拠について論じる。我々は、ヒトを対象とした観察研究と自然実験の検出力とモデル生物を使った真正な実験の厳密さが綿密に統合された好循環が存在していると提案する。

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