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治療標的としてのリソソーム

Nature Reviews Drug Discovery 18, 12 doi: 10.1038/s41573-019-0036-1

リソソームは膜結合型の細胞小器官であり、細胞の老廃物の分解と再利用、細胞のシグナル伝達、エネルギー代謝などの過程において役割を担っている。リソソームタンパク質をコードする遺伝子が欠損すると、リソソーム蓄積症が引き起こされるが、この疾患には酵素補充療法がうまくいくことが分かっている。また、もっとありふれた病気(炎症性疾患、自己免疫疾患、神経変性疾患、がん、代謝疾患など)におけるリソソーム機能不全の役割についての証拠が増えている。本総説では、ループス、関節リウマチ、多発性硬化症、アルツハイマー病、パーキンソン病などの自己免疫疾患や神経変性疾患におけるリソソーム機能障害に焦点を合わせて、リソソームタンパク質およびリソソームが関与する過程を治療標的とする手法の進展および機会を、特に小分子薬やペプチド薬を用いるものについて、批判的に分析する。

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