合成の計画と方法論の進展によって得られた化学プローブと創薬リード化合物

小分子ライブラリーのスクリーニングは、疾患関連標的の化学プローブと、創薬の出発点となり得る化合物の両方を同定するための有効な方法である。本論文では、市販のスクリーニングコレクションには通常あまり登録されることのない構造的特徴を含む化合物を小分子ライブラリーに大量に登録することで、化学空間の新規領域を効率的に探索することを目指した多様性指向合成のような方法に注目する。また、10年以上にわたって蓄積された事例を基に、こうしたライブラリーの設計と合成に現代合成化学がどのように役立ってきたのかについて説明し、その結果得られた化学プローブと創薬リード化合物がさまざまな疾患においてどのような影響をもたらしたのかを解説する。