Review Article

創薬のためのカルパイン研究:課題と可能性

Nature Reviews Drug Discovery 15, 12 doi: 10.1038/nrd.2016.212

カルパインは、プロテアソームとカスパーゼより早く科学的に認知されたプロテアーゼのファミリーで、多くの謎が残っているが、数多くの生理過程と病理過程に関与し、その基質の機能を破壊せずに変化させる「限定加水分解」を行うことが知られており、そのために「モジュレータープロテアーゼ」と呼ばれている。カルパインの病態生理機構への関与については、カルパインに関する学際的研究によって解明され始めている。また、カルパインの異常を標的とする複数の治療法が開発されており、その主たる推進要因は、カルパイン阻害剤の特異性と生物学的利用能の改善だった。本論文では、カルパインスーパーファミリーとカルパイン関連疾患について総説し、カルパインを標的とする新しい治療法についても論じる。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度