Review Article

TNFあるいはTNFRスーパーファミリーを臨床研究の標的とする

Nature Reviews Drug Discovery 12, 2 doi: 10.1038/nrd3930

腫瘍壊死因子(tumour necrosis factor, TNF)の阻害剤は、タンパク質をもとにしてつくられた医薬品(生物学的製剤)の中で最も成功している薬として挙げられ、いくつかの自己免疫疾患と関連した炎症を軽減する臨床的効果のあることが証明されている。このため、構造に関連性があるサイトカイン類からなるTNFスーパーファミリーに属する別のタンパク質の治療薬としての有用性に注目が集まっている。こうしたTNFと関連があるサイトカイン類あるいは、これらが結合する受容体の多くは、現在ほかの適応症だけでなく炎症疾患やがんをも調節する可能性がある標的として臨床適用前の開発あるいは臨床開発が進行中である。この総説では、免疫関連疾患ならびにほかの症候群を対象とした臨床試験が現在進行している生物学的製剤に焦点を当て、このスーパーファミリーに属する分子の活性を調節する治療の可能性の拡張について、そして今までの成功と失敗についても論じる。

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