Research Highlights

生体電子工学:脳にプラグイン

Nature Nanotechnology 2017, 917 doi: 10.1038/nnano.2017.191

注射器で注入できるメッシュ・エレクトロニクスは、多重化した神経測定をin vivoで行うのに有望な侵襲の少ない方法であると考えられている。構造的特徴がニューロンより小さい柔軟な電気プローブは、容易に脳組織に組み込めるが、計測装置と接続するのはより困難である。Schuhmannたちは今回、この問題を克服するため、高速でスケーラブルかつユーザーフレンドリーな入出力インターフェースを特徴とする、プラグアンドプレイのメッシュ・エレクトロニクスの設計について報告している。

今回提案されたメッシュ・エレクトロニクスでは、柔軟なメッシュ領域が、単一のPdパッドか2端子Siナノワイヤー電界効果トランジスター記録デバイスのどちらかと接続されている。得られた構造体は、巻かれて毛細管にはめ込まれ、針から注入されるとほどけて元のサイズに戻る。対象とする脳領域の外側に残った入出力パッドのアレーは、標準的なゼロ挿入力コネクターに手で挿入でき、パッドと標準的な記録装置を接続できる。この注入後の容易な手順は、すでに実証されている注射器で注入できるメッシュ・エレクトロニクスに対応し、作業を完了するのに数分しかかからない。さらに、電子チャネルの全てから局所的な電場電位信号の測定結果を記録できたことが、マウスのin vivo研究から明らかになっている。

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