Research Highlights

2D材料:熱発光

Nature Nanotechnology 2017, 1017 doi: 10.1038/nnano.2017.215

単層遷移金属ダイカルコゲ二ド(TMD)は直接遷移半導体で、オプトエレクトロニクスやフォトニクスで求められている特性である強い光物質相互作用を特徴とする。さらに、TMDは熱伝導率が小さく熱電能が大きいため、熱電分野で応用できる可能性があると考えられる。今回、L Dobuschたちは、こうした特性を利用して、ジュール加熱の結果生じる単層MoS2からの可視域の熱発光を示している。

MoS2薄片が、事前にパターン形成した幅150 nmの溝の上に懸架され、電界効果トランジスターのチャネルになる。しきい値以上のゲート電圧でトランジスターに逆バイアスをかけると、懸架領域に限局した発光が始まる。TMD単層中の電子は、熱伝導効率が本質的に低く、基板のない領域では垂直方向に十分に放熱されないため、極めて高い温度に達し得る。そのため、ホットキャリアが速やかに励起子状態を占有し、デバイスの中心部で放射再結合する。発光は、微分コンダクタンスが負の領域で始まり、発光強度は、負電圧が高くなると増大し、最終的にはデバイスが壊れる。実用上の観点からは、この結果は、TMD電子デバイスの信頼性と安定した性能を確保するには、熱管理が必要である可能性を示唆している。

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