Research Highlights

超両疎媒性表面:平らでなければならない理由

Nature Nanotechnology 2014, 214 doi: 10.1038/nnano.2014.21

ハスの葉の超疎水性に触発されて、自浄用や防汚用の類似した表面が再現され、超撥水特性が非極性溶媒に拡張されている。しかし、そうした超両疎媒性表面は、平坦であるか、ほんの少ししか湾曲していない。マックス・プランク高分子研究所(ドイツ)のH-J Buttたちは今回、その理由を調べ、超両疎媒性のための表面の曲率に対する物理的な制限を定めている。

Buttたちは、まず微小球をスート系ナノ粒子で被覆して、超両疎媒性にした。次に、被覆した微小粒子をカンチレバーに付着させ、液体表面に接触させた。この構成を用いて、微小粒子をさまざまな溶液から引き離すのに必要な力を測定できた。この付着力には、この2つの表面の相互作用に関する情報が含まれている。

平坦な表面が同様のナノ構造化によって超疎油性になるにもかかわらず、今回の実験条件では、この被覆は油をはじけなかった。Buttたちは、実験結果をモデル化して、微小粒子が液体内に移動する際の液体の毛細管圧が、液体と空気の界面に捕捉される空気の圧力よりも大きいために、油で微小粒子がぬれることを説明できた。毛細管圧は、微小粒子の曲率に依存するので、それより小さいと超疎油性や、より一般的に超両疎媒性が失われる臨界半径が存在する。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度