Research Highlights

科学コミュニケーション:ブログは学生のためになる

Nature Nanotechnology 2014, 1014 doi: 10.1038/nnano.2014.240

科学者として成功するには、研究対象に対する基盤だけでなく、効果的なコミュニケーション能力や指導力を発揮し共同作業ができる能力が必要である。専門家の聴衆や専門家でない一般の聴衆に、大学院生が複雑な話題を伝える能力を向上させるために、コミュニケーション能力に関するワークショップの他に、ライティングやプレゼンテーションの講習が大学院課程や学部課程で実施されている。こうした取り組みに沿って、5大学と1国立研究所が関わるCenter for Sustainable NanotechnologyのR Hamersたちは今回、ブログによって、ライティングに対する学生の自信が増し、専門的な話題を一般聴衆に効果的に伝える能力が向上しうることを示している。

Hamersたちは、複数の著者によるブログを作り、学生のコミュニケーション能力を向上させるとともに、持続可能性とナノテクノロジーに関わる科学についての公衆の関心を高め、知識を向上させたのである。学生は、持続可能性やナノテクテクノロジーについて、自身や共同研究者の研究に基づいて自由に書くことができた。このプロジェクトを開始するに当たって、学生は、コンテンツガイドライン、編集作業の流れ、ソーシャルネットワーキングの促進戦略に関するセミナーを受けた。アイデアや経験、時間が十分に無いことに対する学生の懸念に対処するため、Center for Sustainable Nanotechnologyの職員がブログの編集者となった。学生がこの編集者にアイデアを提案し、次に編集者が学生を指導して、投稿前にブログ投稿の草稿に手を入れた。

9か月後のフォーカスグループによる調査によって、この編集プロセスが有益であり、この経験によってライティングに対する自信が高まったと学生が感じていることが分かった。

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