Research Highlights

二次元材料:ハフニウムのハニカム

Nature Nanotechnology 2013, 1013 doi: 10.1038/nnano.2013.211

グラフェンには、その構造がハニカム格子であるため、さまざまな魅力的な特性がある。こうした二次元構造を持つ他の物質として、六方晶窒化ボロンやシリセンなどが知られている。しかし、こうした物質は、グラフェンと同様に、pブロック元素でできていることが多い。北京物性物理国家実験室、吉林大学(いずれも中国)、レンセラー工科大学(米国)のY Wang、S Zhang、H-J Gaoたちは今回、遷移金属元素を用いても、二次元ハニカム格子構造を作成できることを示している。

Wang、Zhang、Gaoたちは、ハフニウムの結晶層をイリジウム(111)面に作った。 結晶層の作成は、電子ビーム蒸発器を用いて超高真空条件下でハフニウム原子を表面に蒸着して行った。当初は、表面にハフニウム原子のナノクラスターが形成されるが、アニーリングすると、規則正しいハニカム構造が、低エネルギー電子回折と走査型トンネル顕微鏡を用いて観測された。

この実験結果は、電荷密度計算と合わせて、ハフニウム原子はハフニウム–ハフニウム直接結合によってハニカム格子を形成することを示唆している。ハフニウム原子の表面被覆率を増やすと、最初の層の上に第二のハフニウム層も形成される。さらに、計算によって、ハフニウムの自立膜は強磁性体になることも示唆される。

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