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カンブリア爆発より古い動物の這い跡
先カンブリア時代のエディアカラ紀末期に当たる5億5100万〜5億3900万年前のこと。蠕虫様の奇妙な動物が、泥の積もった海底を這って移動している最中に死んだ。その動物の体と這い跡は、そのままの状態で残され、長い時を経て化石化した。そして今、それらの化石は、動物がいつどのように進化したかを再検討するための手掛かりとなってくれる。地球上の動物は、約5億3900万年前に始まったカンブリア爆発と呼ばれる事象で爆発的に進化し多様化したと考えられているが、現在この説に対して疑問を投げ掛ける証拠が徐々に増えてきており、そこにまた1つ、今回の化石が加わったわけである。中国湖北省の夷陵(Yiling)区で見つかったエディアカラ紀のこの化石は、Yilingia spiciformisと名付けられ、解析結果と共にNature 9月19日号で報告された(Z. Chen et al. Nature https://doi.org/10.1038/s41586-019-1522-7; 2019)。
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翻訳:船田晶子
Nature ダイジェスト Vol. 16 No. 12
DOI: 10.1038/ndigest.2019.191214
原文
Ancient worm fossil rolls back origins of animal life- Nature (2019-09-05) | DOI: 10.1038/d41586-019-02556-x
- Colin Barras