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ネット上で出会った夫婦の方がうまくいく?

Nature ダイジェスト Vol. 10 No. 8 | doi : 10.1038/ndigest.2013.130805

原文:Nature (2013-06-03) | doi: 10.1038/nature.2013.13120 | Online daters do better in the marriage stakes

Regina Nuzzo

インターネットを通じて出会った夫婦は、友人の紹介、職場や学校での出会いといった伝統的な方法で出会った夫婦よりも円満な結婚生活を送っていることが多いようだ。

Credit: THINKSTOCK

結婚相手を探す独身の男女をマッチングする米国のインターネットサイト、eHarmonyから資金提供を受けて行われた1万9000人以上を対象とするインターネット調査によると、インターネット上で出会った米国人夫婦は、より伝統的な方法で出会った夫婦と少なくとも同じくらい幸せな結婚生活を送っているようだ。

この調査には、2005年から2012年までに結婚した夫婦が参加した。そのうちの約35%が、配偶者にはネット上で出会ったと回答しており、この数字は、友人の紹介、職場、学校という回答の合計よりも大きい。同じ調査から、ネットを利用して配偶者に出会った人々は、伝統的な方法で配偶者に出会った人々よりもわずかに年長で、裕福で、高い教育を受けていて、就業率が高いことも明らかになった1

ただし、ネット上で出会った夫婦のうち、eHarmonyのようないわゆる「マッチングサイト」で知り合ったと回答したのは約45%で、残りの夫婦は、FacebookやMySpaceなどのソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)や、チャットルーム、オンラインコミュニティー、セカンドライフなどのバーチャルワールド、マルチプレイヤーゲーム、ブログ、インターネット掲示板などで出会っていた。

この論文の筆頭著者であり、eHarmonyの科学顧問でもあるシカゴ大学(米国イリノイ州)の心理学者John Cacioppoは、「ネット上で出会った夫婦の方が円満な結婚生活を送っているという知見が得られたことは、意外でした」と言う。

ネット上で出会って2005年から2012年までに結婚した夫婦の約94%が、少なくとも2012年の調査時点までは結婚生活を続けていたのに対して、それ以外の場所で出会った夫婦では、この数字は約92%であった。両者の差は、年齢、人種、宗教、収入などの人口統計学的要因を考慮してもなお統計学的に有意であった。

幸せな結婚生活

ネット上で知り合った夫婦とそうでない夫婦では、結婚生活への満足度についてもわずかな差があった。自分たちの夫婦仲を1点から7点で評価してもらったところ、ネット以外の場で出会った夫婦の回答の平均が5.5点であったのに対して、ネット上で知り合った夫婦の回答の平均は5.6点であった。「わずかな差ですが、差があったこと自体が驚きです」とCacioppoは言う。

統計と現実

ノースウェスタン大学(米国イリノイ州エバンストン)の心理学者Eli Finkelは、このテーマに関してこれほど大規模な研究が行われたことはたいへん喜ばしいが、著者らは結果を誇張しているように思われると指摘する。研究チームは、円満な結婚生活を送れる配偶者を見つけるために、「ネット上での出会いは、それ以外の場所での出会いと同じくらい良いものだ」とする証拠を発見したと主張している。Finkelは、この点については同意するが、「ネット上での出会いの方が良いとする主張については疑わしい」 と言う。

「サンプルサイズが巨大なときには、まさにそのせいで、ほとんど全てのことが統計学的に有意になってしまうのです」と、コーネル大学(米国ニューヨーク州イサカ)の統計学者Giles Hookerは言う。「違いはほんのわずかであることを忘れてはいけません」。彼は、各グループの結婚生活への満足度の差は「この分布範囲の中では非常に小さい」と指摘する。ネット以外の場所で出会った夫婦の方が離婚率が高かったのは本当だが、100組当たり1組程度多く離婚するというだけの話なのだ。

また、インターネット調査に参加した人々は、全人口の代表ではないかもしれない。Hookerは、「著者らの報告によると、アンケートの途中で回答をやめてしまった人が、最終的な回答者の2倍もいました」と指摘する。「誰が途中で回答をやめ、誰が最後まで回答したかは、調査結果に大きな影響を及ぼした可能性があります。ネット上のロマンスで幸せな経験をした人は、アンケートで最後まで回答する可能性が高いでしょう。また、インターネット調査に回答するのが好きな人は、マッチングサイトの質問表に回答するのが上手だったり、ネット上で出会いを見つけるのが得意なのかもしれません」。

(翻訳:三枝小夜子、要約:編集部)

参考文献

  1. Cacioppo, J. T., Cacioppo, S., Gonzaga, G. C., Ogburn, E. L. & VanderWheele, T. J. Proc. Natl. Acad. Sci. USA 110, 10135–10140 (2013).

キーワード

Nature ダイジェスト Online edition: ISSN 2424-0702 Print edition: ISSN 2189-7778

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